アンティーク着物を取り扱うには欠かせないしごと。
それは「和裁」。
結々のチームメンバーには強い強い味方の和裁士、里さんがいます。
里さんは高校卒業後から和裁専門学校に5年も通い、さらに経験を積み、着物を仕立てる仕事を長年されています。子育てもしながら職人として働く姿は人としても同じ母親としても本当に格好良く尊敬します。
呉服業界ではなかなか若手の和裁士では仕事がもらえないそうです。
でもそんな中確かな技術で20代からずっとプロとして仕立ての仕事をされています。
人生とは不思議なもので、ひょんなきっかけから人伝いに里さんを紹介してもらい、結々のアンティーク着物を診断して修繕をしてくださるチームメンバーとしてお力を貸してもらっています!(こんな方に出逢える私はとってもラッキー♪)
今後は新たな展開として、アンティーク着物と現代着物のハギレを利用した「髪飾り」を制作して頂くことになり、結々サイトを通しての販売も計画しています!
楽しみにお待ちくださいね〜☺︎(すべて1点ものの手縫いのため販売数は少ないと思いますが!)
さてさて、本題へもどりまして。
里さんのお仕事場に潜入させて頂きました。
そこには素敵な年季の入った和裁道具たちがたくさんあって、初めて見る道具に興味津々な私に一つ一つ丁寧に教えてくださいました♡
まずはこれ。
写真の真ん中に写っている「四ノ三」と書いてある白い紙。
「しのさん」と読みます。
これはなんと中に和裁用の針が入っています!
数字の「四」は絹を縫う針の番号を表しています。(「三」だと木綿を縫う針になる)
そして最後の「三」は和裁士の手の大きさに合わせて針の長さを選ぶためのサイズ表記になっています。(和風の表記がわたし的にとってもレトロで格好良くてツボです)
そしてこの細い針が曲がったりして使い勝手が悪くなると、二軍へ移動して「まち針」へと役割を変えていきます。
そのまち針を置くための入れ物は中に磁石が入っているので針がしっかりとくっつきます。
え??まち針って先には丸い物がくっついているのでは。。?
と思うのですが、和裁の世界では丸い物がついているとNGなのです!
なぜかというと、仕立て上がりの最後には検針機といって、針が混入していないかを確認する機械に着物を通す大切な作業があります。
万が一、仕立て終わった着物の中に針があった場合に、まち針に丸い物がついていると生地や縫い目から出なくなってしまうからなのです!針の状態であれば間違いなく取り除くことができます。安心安全はこうして守られているのですね♪
お次はこれ。
和裁用のコテです。
見た目では使い道が全く想像がつかない道具ですよね!
電気でコテを温めて使うのですが、アイロンよりもヘッドが小さいので細かい縫い目などのところをかけるのにこれでなければいけないそうです!(ヘッドの部分の写真を撮り忘れてしまったのが残念!)
そしてそして、着物を押さえるための「文鎮(ぶんちん)」はこちら♪
大体、手のひら大くらいのサイズです。
それからそれから。
これは!!なんと!!石けん。
和裁に石けん。
どうやって使うのか分かりますか?(当たったら天才です!)
正解は…
石けんを使って生地に線を引くんです!
そして縫い目のガイドにします。
つまり、洋裁で言うところのチャコペンみたいな役割ですね♪
これがわたし的には1番驚きました♡
使っていくうちに、だんだんと石けんの形が変化していって、丸になったり手裏剣みたいな形になったり、職人のクセで最後の形は全然違うそうです〜!
我が結々のチームメンバーの里さんの和裁は、関東では主流の【男仕立て】という技法で縫い上げていきます。
男仕立てと言うのは、一般的に和裁に使われる「くけ台」や「かけはり」を使わず、あぐらをかいて足の親指と人差し指で、布を挟み引く力の強さを平均に保ち縫っていく伝統の技法なのです✧
このあぐら姿がまた何とも神々しく見えてきて(いや仏のようと言うべきかも)超絶に格好良かったです!
大好きな着物、そして20年近く関わってきた着物ですが、美容の側ではなく作り手側の事は本当に無知だったのだなと改めてとても勉強になりました☺︎
お人柄もとっても素敵な里さん♡
私とほぼ年齢も同じ40代ですが、この道で生きてきたというプロ意識と安定感がもう本当に凄い✧
私も更に精進してお客様に喜んでもらえるお仕事を頑張ろう‼︎と思える素敵な出逢いに感謝です。
そんな素敵な里さんが心を込めてお直ししてくれたアンティーク着物たちは、また新たな命が宿り皆さんの大切な日に素敵な思い出を紡いでくれることでしょう✦
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アンティークこども着物レンタル結々
✤SEKIYA RIE✤
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